【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■認知症ケア加算の地域差から見えてくる医療提供体制の違い
超高齢化が進む日本において、認知症患者の増加により医療従事者の負担や医療費の増大などの懸念が強まっている。一方、病院経営・医療の質的側面を考えれば、ケアの充実の重要性も当然増している。診療報酬による評価である認知症ケア加算は、算定件数が年々増加している。しかし、NDBオープンデータを用いて分析すると、高齢化率や病床数の違いだけでは説明のつかない地域差が見えてくる。
まず、算定回数には大きな地域差がある。85歳以上人口1万人当たりの算定回数(24年度)は、最も多い北海道と最も少ない宮崎の間で3倍を超える開きがある=グラフ1=。85歳以上人口当たりで比較しているため、高齢化の差異はある程度調整している。また、西高東低となる病床数に強く影響を受けているようにも見えない。そのため、これだけの差異が生じるのは何らか別の理由があると考えるべきだろう。
次に、認知症ケア加算の全算定回数に占める加算1の割合を見た=グラフ2=。
この加算1の割合は、認知症看護認定看護師の配置密度と強く関係している。認定看護師が少ない都道府県でも、認知症ケア加算そのものは算定できている。しかしチーム体制など上位区分の要件を満たせず加算2・3にとどまっていることが想定される。加算1が全算定に占める割合は都道府県によって3%から39%まで開いており、この差は人材配置という地域資源の偏りを反映していると思われる。
さらに身体的拘束の状況を比較した=グラフ3=。
(残り1090字 / 全1755字) 次回配信は7月22日を予定しています
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